カナダ・ケベック州の高原にあるモントランブランの森の中、世捨て人が建てたような小さなキャビンがあります。中には水道もシャワーもありません。それでもAirbnbでは、静寂の中で2人きりで過ごしたいカップルに大人気。雪と森と孤独が何よりの贅沢、と考える人々がカナダには少なくないようです。
10エーカーの広大な敷地にぽつりと立っている可愛らしいキャビンは、わずか2坪(6.7平方メートル)の床面積。モントランブランのダウンタウンまで車で約5分の距離ですが、周りに人家はなく、森の中に完全に遮断されたロケーションです。
宿泊ゲストは、ロックボックスでセルフチェックイン。ダートでの唯一のアクセスは、積雪の多い冬の時期にはなかなか困難なようで、Airbnbのページには迷ったゲストのコメントも。シャワーも水道もないので、ゲストは水を持参する必要があります。冬場はスノーシューも持ってきた方が良さそうです。
キャビンの四方の壁には大きな窓が配置され、アウトドアの景色が存分にエンジョイできます。エクステリアとインテリアはよく見るとでこぼこしていて、DIYの手作り感が愛嬌を振りまいています。ラグジュアリーな設備や家具は皆無ですが、住まいに必要な最小限のものは揃っています。
キッチンにはIH調理プレートと鍋やフライパン、必要な台所用品が完備されています。小さな冷蔵庫とオーブントースター、簡素なシンクもあります。室内にはダイニングカウンターと32インチHDテレビが備えられています。
トイレはスウェーデン製の最先端のエコロジカルトイレとのこと。ベンチの下に隠された小部屋の中にあり、ベンチシートを跳ね上げて目隠しにして利用します。男性も腰を下ろさなければならないとAirbnbの注意書きにあります。
中二階のダブルベッドのある寝室には天窓があり、星空を眺めながら眠りに落ちることができます。
エントランスの前には広いウッドデッキがあり、プロパンによるバーベキュー設備と2つのキャンパーズチェアが置かれています。キャビンは夜間にはパーティーライトでムーディーに飾られ、ファイヤーピットでは無料の薪でキャンプファイヤーを楽しむことができます。
モントランブランはスキーリゾートで有名な街なので、冬の寒さは厳しいものがあると思いますが、Airbnbのゲストの声では、キャビンの中は暖かく快適だそうです。
Airbnbではロケーションを絶賛するコメントが多いです。とても簡素な2坪のキャビンですが、手近なアクセスと一泊8千円台という手頃な価格で、一面の純白の雪や森の静寂に浸れるリトリートとしてカナダで人気のようです。
日本でも、民泊新法が僻地での規制を緩和すれば、DIYでタイニーキャビンをつくってビジネスにできるかも。自動運転時代には移動もストレスではなくなりますからね。